子育てコラム5
enneの理事による子育てコラム「ほっと一息」になります。
懐かしさの中に暖かさを感じる内容になっています。
読み終わると「ほっと」肩の力が抜けて、また頑張ろうという気持ちになるはずです。
ぜひ読んでみてください😊
乳歯が虫歯で痛くなっても歯医者に行くという選択肢がなかった時代のことです。祖父と手をつないで田んぼの畦道を歩いています。右には小川、左には稲の切り株が残る田んぼがあります。男の子の右手には小さな菊目石(サンゴの一種)が一つ握られています。四個を祖父が持っています。男の子は5歳、年の数だけ菊目石を持って「歯の神様」にお参りに行っているのです。「歯が治りますように。治ったら倍の10個の菊目石を持ってお礼に来ます。」この日から優に60年は経った時、無性に「歯の神様」に会いたくなりました。わずかな記憶をもとに似たような場所を探しました。ある時、諦めて脇道を歩いていると、落ち葉の中に小皿が一枚顔を出していました。落ち葉をかき分けると土に汚れた菊目石がいっぱい見つかりました。歯の欠けた櫛もありました。